飯田市の農業は、農作物の南限と北限といわれる植生や、標高差を活かした多種多品目の栽培が可能な産地として、経営面積は少ないものの収益性の高い品目を組み合わせた複合経営が行われています。
地理的表示(GI)保護制度に登録された市田柿をはじめ、りんご、梨、桃などの果樹、野菜、花卉といった園芸品目のほか酪農・肥育・養豚などの畜産業も盛んに営まれ、ぶなしめじの人工栽培の発祥の地としてきのこ栽培が盛んなことも地域農業の大きな特徴となっています。また、自然環境や農村風景、伝統文化や食文化、農業体験や農家民泊等の地域資源を活用した都市と農村との交流などグリーンツーリズムにいち早く取り組んできています。
しかし、農家数の減少や農業従事者の高齢化が進み、遊休荒廃地の増加や農業生産力の低下が急速に進んでおり、農業の担い手の確保が地域農業を維持・発展させていく上での大きな課題となっています。
このような状況を踏まえ、農業の担い手の減少など様々な課題を解決し、「地域経済を支える農業」と「農業を活かした地域づくり」を目指す農業・地域の姿とする「飯田市農業振興ビジョン」を平成30年3月に策定しました。あわせて、農業振興センターでは、行政、生産団体、農業関係団体が連携し、それぞれの役割を発揮しながら事業に取り組むため、関係機関の連携体制の見直しを図り、新たな体制で取組を推進しています。